2008年04月10日

文楽「競伊勢物語」と「勧進帳」

 文楽で「競伊勢物語」と「勧進帳」を観た。

 「競伊勢物語」は、皇位継承争いに巻き込まれ在原業平と井筒姫の身代わりになる、若い男女の物語。
夫豆四郎のために禁断の淵に立ち入った信夫(しのぶ)は、罪が母に及ぶのを防ぐため、勘当されようとわざと母に辛く当たるが、母は娘を心配するばかり。そこへ村出身で今は貴族になった紀有常が17年ぶりに現れ、実は母は養母で自分が父だと明かす。彼女を引き取り斎宮にすると言い出す有常に、母子は互いの愛着を確認するが、そこへ今度は追手が押しかけ、有常は自分も元にくることを条件に信夫を救う。母子が安堵するもつかの間、実は有常は業平と井筒姫を救うために、信夫たちを身代わりにしようとやってきたことが分かる。

 ぎりぎりに追い詰められていく者たち。背景の変わらない同じ場面の中で、人の関係や展開が激しく変化し、怒涛のような感情が渦巻く。感情の量が多い、と思う。普通では耐えられないほどの事件が短時間に起こり、その短い間に決定的な選択を迫られる。登場人物たちは、かき口説き、嘆き、驚き、涙に暮れるが、運命には逆らわず、今の私たちには不当にしか思えない最後を静かに受け容れる。母親と娘がかわいそうで、泣きそうになった。

 「勧進帳」はストーリーを知っていたので安心して見られたが、弁慶がずっと一人でしゃべる言葉の字幕を読んでいたら、意味の分からない言葉の連続で、眠くなってしまったけど、最後に弁慶が去っていく場面の動きは迫力があった。

 去年映画で観たのと違って、本当の舞台はとても華やかだった。友人は、好きな三味線弾きの人がいるというが、そこまで違いを聞き分けるにはかなり観ないとなあ。
posted by HIROMI at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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