2008年09月07日

落語娘

幼い頃から落語家を目指した香須美(ミムラ)は、大学卒業後には憧れの噺家を門を叩くも、女だからと断られ、異端の噺家・三々亭平佐(津川雅彦)に拾われる。その三々亭平佐はテレビ番組でそそうをしでかして謹慎の身になり、起死回生をねらって、演じると死ぬという伝説の落語「緋扇長屋」をテレビで演じることになる。

 男社会の落語界で夢に向かって奮闘する香須美がけなげ。一方、「緋扇長屋」が背負っているオカルトの歴史が説明され、それを演じる平佐の運命がどうなるのか、ミステリーの面もあっておもしろかった。平佐が語る落語が劇中劇になっていて、映画の中にもう一つ時代劇が入っている構造。それが語りきられるのか否か、そして劇中劇の結末はどうなのか・・。
 平佐の前に死んだ噺家の部屋にいないはずの女の声がする場面と、平佐の部屋に女の声がする場面はマジ怖かった。血しぶきなどなくても、気配でぞっとするのが日本の怪談の特徴だと思う。

 平佐を利用して視聴率を取ろうとする敏腕女プロデューサーがあざとくて怖い。結局、彼がは死なずに語り切るが、それには彼が仕組んだ裏があり、どうして難を逃れたのか、もミステリーのうち。

 ミムラもいいが、これはもう、津川雅彦のための映画のよう。破天荒で、身勝手に見えて情があって、一癖もふたクセもあって捕まえどころがないけど、わが道をいく信念をもつ、狸か狐か、というおじさんの役ははまりすぎ。女好きで助べえな独特のいやらしい雰囲気もぴったり。「寝ずの番」も下ネタ満載だったけど、今回のセクハラ場面も何だか隠微で、津川雅彦のオーラがすべてを覆っていた感じ。本当の落語家のように噺を繰る場面は、さすがだった。

 平佐が助かってよかったけど、「緋扇長屋」の本当の結末は一体どんなものだったのか、怖いもの観たさで好奇心が鎮まらなかった。語る人が呪い殺されるほどの噺の結末が、あんな夢オチなわけがないもん。
  
 
posted by HIROMI at 21:06| Comment(0) | TrackBack(5) | 日記
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