2008年12月21日

ザ・ローリング・ストーンズ・シャイン・ア・ライト

 マーティン・スコセッシ監督がザ・ローリングストーンズのライブを撮ったドキュメンタリー。

 ニューヨークのビーコン・シアターでのコンサートを、ステージデザインの立ち上げやセットリストの決定など、ライブの準備段階での、バンドと監督とのせめぎ合いから映している。
 ツアー中で連絡がつかないミックたち。曲ごとに細かいカメラ割りを考えているのに、肝心のセットリストも全然送ってこない。監督とミックは同年代のはずなのに、まるで老人がやんちゃな若者に手を焼いているよう。結局リストが監督の手に渡されるのはライブ直前というか、寸前。このあたりがスリリング。

 とにかくミック・ジャガーの若いこと。エネルギッシュにステージを動きまわり、タフでセクシーで、63歳だなんて信じられない。他のメンバーも、年齢の割には非常に若いと思うけど、ミックの若さは驚異的。顔には深いしわが刻まれているけど、体はどう見ても30〜40代。メタボにもハゲにもならないどころか、若者以上のパーフォーマンスに圧倒される。バンド名どうり、苔むすことなくずっと現役というのも本当にすごいです。

 ドラムのチャーリー・ワッツが初めの何曲かが終わったとたん、フーっと息を吐いて疲れた顔を見せたり、ハワイアンギターを弾くロニー・ウッドの腕に幾筋もの血管が浮いて、それなりの年齢を伝えていたり、キース・リチャードのタバコから一瞬、煙とともに灰が舞い上がったり。18台ものカメラが、ステージの様子を驚きの細かさで映していた。メンバー同士が交わす視線も至近距離からで、彼らが演奏を楽しんでいるのがよく分かった。

 過去のインタビュー映像も面白かった。「ドラッグの宣伝なんかしてないのに、責任を押し付けられるんだ」「誰に?」「現に起訴されてるだろ」/「公演に全然衝撃を与えられなかったという記事がありましたが」「誰がそれを書いた?」「シドニー新聞の記者です」「いいよ、別に。衝撃を与えようとしたわけじゃない」/「ミック・ジャガーでなかったら、何になってた?」「別人だろ」。すばやい切り返しに頭がいいなあと思う。ユーモアがあるし。

 現在のインタビューでキースは、ギターの腕前について「ほんとはロニーも俺もヘタだけど、二人一緒だと最強さ」と語る。ずっと転がり続けているのは、彼らがバンドマンで、仲間と心からバンドを楽しんでいるから。年を経ても不良っぽい雰囲気を失わず、コンサートをやらないことなんて考えられないなんて、なんて自由でいいんだろう。なんだか勇気が沸いてくる映画でした。

 清志郎がカバーした「サティスファクション」が聞けてうれしかったけど、「黒く塗れ」も聴きたかったなあ。それと、歌詞の日本語訳を字幕に出して欲しかった、というのは贅沢だろうか。パーフォーマンスには感動しながら、歌詞の意味が分からないせいで、歌そのものには入り込めなかったのは、つまり自分のせいなんだけど。
posted by HIROMI at 20:15| Comment(0) | TrackBack(5) | 日記
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