2009年01月11日

PARIS

 タイトルを見ただけで心が騒ぐ。エッフェル塔の写真でもう決まり。ということで、今年最初の映画はセドリック・クラピッシュ監督の「PARIS」です。

 心臓の病気を抱え、命の終わりを見つめるピエール。アパルトマンの窓から街を眺めて心を慰める彼のもとに、社会福祉士でシングルマザーの姉エリーズが心配して尋ねてくる。
 この二人を中心にパリに住む人々が描かれるが、実際に人間関係を結ぶ者たち以外、一見何のつながりもない人者も、他人を介してつながっていて、いくつもの思いもかけない同心円が現れる。
 娘の親友の親だということで、エリーズはマルシェで働くジャンとカロリーヌと知り合う。二人は元夫婦。二人のまわりにいる同業者たち。その一人と惹かれあうカロリーヌ。
 ソルボンヌ大学教授のロランは、テレビロケでパリを紹介する一方、美貌の学生レティシアに一目ぼれして匿名のメールを送り続ける。ロランに幼い頃からの嫉妬を打ち明けられて戸惑う弟は、建築家で、息子の誕生を待っている。
 ピエールとロランの間には何の接点もないが、ピエールの視線の先には、向かいのアパルトマンの窓にレティシアが。レティシアは、事故にあったカロリーヌのそばを、ボーイフレンドとバイクで通る。
 パリから遠く離れたカメルーンで、水泳のインストラクターをする黒人ブノワと、ファッションモデルのパリジェンヌ。ブノワの兄は、福祉事務所でエリーズに相談。ファッションモデルの女の子は、市場をのぞいて、ジャンたちに案内される。

 兄弟同士の心のすれ違い。突然死んでしまう女がいて、それを嘆く男がいる一方、子どもの誕生に感激する父親がいる。中年の男と若い女。華やかな世界に身をおく女性たちと、貧しい移民。社会のいろんな面が切り取られて、モザイクのようだ。

 その誰もが、愛を求めていて、最後まで恋がいっぱい。老いを恥じる大学教授の思いも、予想に反して爽やかに成就。ロランがロックに合わせて踊る場面は楽しい。彼が恋に落ちる一方で、レティシアは別のボーイフレンドとも割り切った関係を続ける。登場人物が好きなように生きて、弁解がましくもないところが、フランス映画のいいところだと思う。案内された肉の倉庫で、早々と結ばれるモデルと労働者。ピエールは、エリーズの職場の女性と恋愛なしでベッドイン。恋愛に臆病になっていたエリーズも、遠回りしながらジャンと恋人に。支えられる側のピエールが、エリーズを励ます場面が感動的だ。

 パレ・ロワイヤル、サクレクール、モンパルナスタワー、と知ってる場所が出てきてうれしかった。ピエールのアパルトマンの窓から見える景色も素敵。最後、病院に向かうタクシーの窓からパリを眺め、生きている喜びに輝くピエールの表情がせつなかった。

 ジュリエット・ビノシュに、ロマン・デュラス、ファブリス・ルキーニに、アルベール・デュポンテルという豪華メンバー。彼らを同じ映画で見られただけでもすごいと思う。
 
posted by HIROMI at 20:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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