DISNEY'S クリスマス･キャロル

　ディケンズの名作をディズニーの３Dアニメで。情景が美しく、迫力があって、さすがディズニーでした。

　金儲けにしか興味がない、冷酷な金貸しのエブニーザ・スクルージのもとに、クリスマスイブに三人の精霊が現れ、彼自身の過去・現在・未来の影を見せ、後悔と恐怖に心を奪われたスクルージは、心を入れ替えて、生き方を変える決心をする。

　初め、寒そうな古いロンドンの街が空から大きく写されるが、これはこの後、スクルージが精霊と共に何度も飛びながら眺める景色。茶色にくすんでいたり、霧に浮かんだり、雪のなかで凍てついたり。原作は情景描写がすごくきれいなんだけど、その美しさがそのまま映像で再現されてる感じ。
　その中をハイスピードで飛んでいくのは、今時のアトラクションみたい。臨場感たっぷりで、３D映像でみたのは正解でした。

　ジム･キャリーが主人公も3人の精霊も一人で何役もこなしていたのがさすが。言われなければ全然わからなかった。スクルージなんて、ジム･キャリーのキャラクターと程遠いのに、ユーモアのかけらもないガリガリ亡者を演じてるなんて。

　自分の遠い記憶のなかや、現在の従業員の家族や、甥の家に集まった人たちの様子、孤独に死んで誰も悲しむ人のない将来の幻を目の前にするけど、セリフもほとんど原作どうり。
　でも、ケチなスクルージが住んでいる家が、あんなに大きいのはちょっと引っかかったかな。家政婦さんがいるのも。彼は自分のために金を使うこともしない、信じられないくらいの守銭奴なのに。それと、多分惨めさをそのまま描きたくないからなのか、クラチットの食卓に置かれるガチョウがかなり大きいのもヘンだと思った。

　ちなみに、「ミッキーマウスのクリスマス・キャロル」は、子ども向きだからすごく短い作品だけど、とても上手に編集してあって、何度観ても心が温まる。、クラチットをミッキーが、甥をドナルドダッグが演じてて、マーレイはグーフィーだから、全然怖くないんだけど、説得力はこっちが上かも。

　どちらにしても、年老いていても、生き方を変える決心をすれば、人生をやり直すことができ、過去を塗り替え将来も豊かにできる、というメッセージがいいよね。　　
　

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Posted by 日本インターネット映画大賞 at 2009年12月26日 08:16