2009年12月06日

美しきアジアの玉手箱 シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展

 アメリカ屈指の美術館・シアトル美術館所蔵の日本や中国の美術品。またも最終日に、神戸市立博物館まで行ってきました。

 北斎とか俵屋宗達の作品で宣伝していたが、絵と同じくらい焼き物のコレクションが多くて、初めに縄文時代の土偶が飾られていたのは驚き。蒔絵の手箱や、志野・織部の鉢や水差し、染付けの皿などのなかに、鮮やかな草花のデザインを細かく描いた「色絵草花文八角角鉢」がひときわ美しかった。

 絵画は、ほとんどが地味な掛け軸や屏風。美人画とかの浮世絵を想像していたが、それよりずっと地味な絵が多く、「長谷寺縁起絵巻」や北野天満宮の縁起絵の断簡など、お寺の縁起絵や襖絵が目についた。寺院所蔵のものがなぜアメリカに行ったんだろう、戦後の混乱のせいじゃないのだろうかとか、軽くてくるくる巻くだけだから、運搬が容易だったろうな、とか、いろいろ想像してしまった。

 印象に残ったのは、「地獄草子」、「五美人図」、「蜻蛉・蝶図」、「烏図」。
 「地獄草子」は、平安時代のもので、地獄に落ちた人の阿鼻叫喚が写実的で、おどろおどろしさが迫り、作者は戦や災害や飢餓で、よく似た状態の人たちを見たのでは、と思った。
 「五美人図」は、葛飾北斎作。花魁や御殿女中は街娘など、現実に同じ空間にいるはずのない女性を描いていて、画面構成と遊び心がいかにも北斎。
 「蜻蛉・蝶図」は、なんと70人がそれぞれいろんな昆虫を描いて詩をつけたもので、まるで図鑑。それぞれの個性が現れてなくて、同じ人が描いたみたいに見えるのは、正確な描写が目的だからだろう。
 「烏図」は屏風で、金箔の背景に黒々と烏の群れが描かれていて、ぱっと見ると影絵のようだが、近づくと、烏の羽の一本一本がこまかく描き分けられ、目の表情も生彩があって驚いた。

 中国の焼き物は、唐とか元とか南宋とかに驚いていても仕方がなく、紀元前13世紀とか10世紀とか、とにかくよく今まで残ったな、と思うほどの古さ。どれも美しかったけど、まず年代に目が行ってしまった。

 他に韓国やベトナムの青磁器や、タイの仏像などがあった。ネパールのインドラ坐像は、なまめかしい女性の神様に見えたけど、日本の帝釈天だそうで、お国柄の違いが面白いと思った。
posted by HIROMI at 22:52| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記
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竹下夢二 葛飾北斎がだいすきなんです。
Excerpt: 古き日本人が思ふ西洋・・・
Weblog: 葛飾北斎 竹下夢二
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