2010年01月07日

眠狂四郎 勝負

 昨年末にジェラール・フィリップ主演の古い映画を観たが、今年の最初の一本は、夭折した美男の大スターつながりで、市川雷蔵。没後40周年特別企画の「大雷蔵祭」で、「眠狂四郎 勝負」を観た。シリーズ第2作目で、眠狂四郎の方向性を決定づけた作品だそう。

 狂四郎は、道場破りに父を殺された少年と出会い、父の仇を討って少年に道場を取り返してやるが、茶店に同席した縁で立会人を引き受けた老人は、実は朝比奈という勘定奉行だった。
 その朝比奈は、疲弊した経済を立て直すための大胆な改革を快く思わない役人たちに、命を狙われていた。一徹な朝比奈を気に入り、彼を守ろうとする狂四郎だが、狂四郎自身も、道場で倒した男の弟や、彼と剣を交えたいと思う男、朝比奈暗殺の邪魔になるからと役人が送り込んだ男たちに囲まれる。

 円月殺法は、相手は即死で苦しんでもいないだろうと思うほどの早業。殺しの場面は非情でも、仕掛けてくるのは相手だから、狂四郎が殺人鬼というわけじゃない。ニヒルで虚無的なヒーローかと思っていたけど、老人の正義感を無駄だと笑いながらも、彼の身を案じてどこまでもつき合う情の深さがあるし、めったに笑わないけど、笑顔はさわやか。

 狂四郎を慕う蕎麦屋の女の子のほか、捕らえられた宣教師の夫を助けるために、役人の手先となって狂四郎にワナをかける占い師の采女、贅沢三昧の金を朝比奈に止められて恨みをもつ、将軍の息女・高姫など、狂四郎にかかわる女性たちが艶っぽい。
 占い師がもった毒のせいで、体の自由がきかなくなった狂四郎を、高姫が弄ぼうとする場面とか、結局何も起こらない、あわやの場面に危険な香りがぷんぷんだった。

 占い師は、刺客を手引きしておきながら、風呂で襲われた狂四郎に刀を渡して助け、なぜ助けてしまったのか分からない、と狂四郎の肩で泣く。高姫も、江戸を追われることになったあげく、心を奪われたと悔し涙を流す。
 まわりの女性がみんな彼に恋をするけど、それは彼女たちの勝手な反応。狂四郎は自身は全く色恋を超越していて、クールで動じないのがかっこいい。

 雷蔵は特に横顔が美しかった。すごみと気品があって、すごい存在感。占い師役は藤村志保。あまりの若さに、すぐには誰かわからなかった。
posted by HIROMI at 22:15| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記
この記事へのコメント
一作目の「殺法帖」では、中村玉緒に情を感じてしまっており、クールさに欠けた嫌いのある狂四郎ですが、本作は、勝手に想像していたイメージ通りでした。
加藤嘉筆頭に脇役も良く、女性陣も良かったですね。高田美和さんでさえ・・・。この人40歳くらいで顔がかなり変わった気がします。
Posted by バラサ☆バラサ at 2010年07月30日 02:03
バサラ☆バサラさん
お越し下さってありがとうございます。
ニヒルでクールな狂四郎がカッコよかったですね。腐った権力には容赦ないけど、正義を感じる相手のことは徹底して助ける姿も、いいなあと思いました。
高田美和さん、清純でかわいかったですね。この人、確か「眠狂四郎 女地獄」では男装を披露してたと思います。昔の女優さんの若い時の姿に、感慨深いものがありました。
Posted by HIROMI at 2010年07月30日 20:32
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Tracked: 2010-07-29 01:16