2010年01月23日

食堂かたつむり

 昨夜、試写会で「食堂かたつむり」を観た。監督と柴咲コウと余貴美子の舞台挨拶つきで、豪華でした。

 母親(余貴美子)と折が合わずに祖母と暮らし、料理好きの祖母の影響で、食堂を開く夢をもつ倫子(柴咲コウ)。
 インド人の恋人と同棲して夢に向かって働いていたのに、恋人は家財道具ごとドロン。そのショックで声を失ってしまい、母の元に帰ってきたけど、母との関係は相変わらず。だが、昔から顔なじみのクマさん(ブラザートム)の助けを借り、物置を改造して開いた食堂の料理で、訪れた人々に奇跡を起こしていく。

 CGとアニメーションをふんだんに使った明るい画面。静かで単純な村の風景が、突然にぎやかなアニメで飾られるのが楽しい。おっぱい山のふもとの村という架空の場所だけど、出てくる人たちも、みなどこか風変わり。
 一番個性の強いのがオカンと呼ばれる倫子の母で、わがままで勝手。真っ赤なファッションに身を包み、ペットはエルメスと名づけたブタ。それに贅沢させて、乳母車で散歩。自分よりブタに愛情を注ぐ母親って、そりゃ娘はすねるでしょ。

 倫子が、瞑想するような雰囲気で料理をする厨房には、外からの光が暗い部屋に注いで、肉や野菜や果物がとてもきれい。食堂も、間接照明が静かできれい。ところが、オカンのスナックはデコデコの装飾で、光は人工的だし、男たちが下品に話して、倫子の仕事場とは絵が対照的だった。

 倫子が作る料理は不思議。クマさんがカレーを食べると、別れて外国に帰った妻から電話がくるし、女子高生がスープを飲むと両思いになるし、喪服ばかり着て腰をまげて歩いていた老婦人(江波杏子)は、しゃんと腰が伸び、見違えるほどおしゃれに。老婦人が食べた、サムゲタンやリンゴの酢漬けや子牛のソテーがおいしそう。食べてる表情が幸せそう。そうだおしいものを食べに行こう、と思っちゃう。

 自由奔放で勝手なオカンなのに、突然死期が近づいてしまう。だけど、彼女らしく、昔の恋人だった担当医とめぐり合うから、悲壮感はなし。二人の結婚式で、倫子が腕をふるった料理の数々もおいしそうだった。そして、母娘は絆を取り戻す。

 オカンが倫子を生んだ本当のいきさつは、結局ナゾのようだった。倫理を大事にして欲しいと思ってつけたのに、不倫の子だから倫子なのよ、なんて、なんで言ったんだろう。倫子のことが生きがいだったのなら、中学卒業後にそそくさと家出されたら辛かったろうな。母性のひとかけらもないフリはなんだったの。
 とにかく、オカンは突っ張りすぎ。全然共感も感情移入できなかったけど、余貴美子のオカンは、キュートで憎めない、とにかくかわいい人だった。
posted by HIROMI at 10:21| Comment(2) | TrackBack(18) | 日記
この記事へのコメント
こんばんは。

そうそう。ぼくもそこが引っ掛かったところ。
なぜ、不倫の倫子なんて言わなきゃいけなかったのか?
原作読んでも、その謎は解けませんでした。
Posted by えい at 2010年02月06日 23:10
えいさん
お越し下さってありがとうございます。
オカンが倫子を大切に思ってたのなら、家出をされてしまうほど冷たくしたのはなんでかなあ、と思ってしまいますよね。それほどへそ曲がりで、強情だということでしょうか。訳がわからないけど、何だかカワイくて悲しい、魅力のある人物でした。
Posted by HIROMI at 2010年02月07日 09:50
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/34900435

この記事へのトラックバック

『食堂かたつむり』
Excerpt: ----お正月って、同じものばかり食べていて、 あきてこニャい? まあ、フォーンは、いつも同じものだけどね。 「うん。だからというわけじゃないけど、 きょう、選んだのが、この料理の映画」 ----『食..
Weblog: ラムの大通り
Tracked: 2010-02-06 23:09

食堂かたつむり 【~⌒(・・)⌒~】を飼いたくなった(←食うためではない)
Excerpt: 【 {/m_0167/}=7 -4-】 これは試写会にて火曜に観た映画、原作(小川糸著)が妙な話題になっていたようだが自分は未読。  失恋のショックで声を失った倫子は、子供の頃から馴染めなかった自由..
Weblog: 労組書記長社労士のブログ
Tracked: 2010-02-07 10:29

食堂かたつむり
Excerpt: 9時半だと思っていたら、9時上映開始で、おかげで朝めしを食えなかった^^; 作品としては、どうなのか、よくわからなかったんだけど、柴咲コウさんが大好きなので、「食堂かたつむり 」を鑑賞。 ..
Weblog: いい加減社長の日記
Tracked: 2010-02-07 20:06

食堂かたつむり
Excerpt: ジブンも申し込んでいたのですが先にYちゃんが試写会に当たり誘って頂いたのでいそいそ出かけて来ました『食堂かたつむり(HP)』会場は109シネマズ名古屋です映画が始まる前にゲストが紹介され主演の柴咲コウ..
Weblog: MiracleFruits
Tracked: 2010-02-08 09:44

食堂かたつむり
Excerpt: 「かもめ食堂(06)」から始まったともいえる、料理癒し系映画の最新作?になるのかなあってのが予告段階の印象。
Weblog: 映画感想つれづれ日記
Tracked: 2010-02-08 20:46

『食堂かたつむり』
Excerpt: 男に逃げられ失語症に陥った女が 10年ぶりに帰郷。仲違いの母に頼み込んで 物置で食堂かたつむりをオープンする。 【個人評価:★★☆ (2.5...
Weblog: 『映画な日々』 cinema-days
Tracked: 2010-02-10 20:39

『食堂かたつむり』
Excerpt:   □作品オフィシャルサイト 「食堂かたつむり」□監督 富永まい □原作 小川 糸(「食堂かたつむり」ポプラ社) □脚本 高井浩子□キャスト 柴咲コウ、余 貴美子、田中哲司、ブラザー・..
Weblog: 京の昼寝〜♪
Tracked: 2010-02-11 14:18

「食堂かたつむり」感想
Excerpt:  海外はどうか存じないが、とかく日本の娯楽産業は、一つ何かが流行ると、猫も杓子もそれに右倣えしてしまう、悪しき習慣があるように思う。 10数年前も、散々伏線を張りまくった挙句「おめでとう」「ありがとう..
Weblog: 狂人ブログ 〜旅立ち〜
Tracked: 2010-02-15 21:01

『食堂かたつむり』
Excerpt: '10.02.02 『食堂かたつむり』(試写会)@ヤクルトホール yaplogで当選。ホントにいつもありがとうございます。これ別口でハズレてしまってガッカリしてた。試写会募集の記事を見て早速応募。見..
Weblog: ・*・ etoile ・*・
Tracked: 2010-02-16 01:01

食堂かたつむり
Excerpt:            {/m_0243/} {/m_0243/}。。。。 あるところに、 願いが叶うごはんが ありました。 製作年度 2010年 上映時間 119分 原作 小川糸 『食堂かたつむり..
Weblog: to Heart
Tracked: 2010-02-16 02:31

映画 食堂かたつむり
Excerpt: ストーリー: 倫子(柴咲コウ)がアルバイト先の料理店から戻ると同棲(どうせい)中のインド人の恋人の姿はどこにもなく、 部屋は空っぽだ...
Weblog: 単館系
Tracked: 2010-02-16 08:25

「食堂かたつむり 」もっと美味しそうな料理がたくさん見たかった
Excerpt: 「食堂かたつむり 」★★★ 柴咲コウ、余貴美子、ブラザートム主演 富永まい 監督、119分 、 2010年2月6日 公開 (原題:食堂かたつむり)                     →..
Weblog: soramove
Tracked: 2010-02-19 22:08

食堂かたつむり
Excerpt: 食堂かたつむり’10:日本 ◆監督: 富永まい「ウール100%」◆出演: 柴咲コウ、余貴美子、ブラザートム、田中哲司、志田未来、満島ひかり、 江波杏子、三浦友和 ◆STORY◆おっぱい山の麓の小..
Weblog: C'est joli〜ここちいい毎日を〜
Tracked: 2010-02-20 00:44

「食堂かたつむり」 倫子の「言葉」
Excerpt: 人間には五感があります。 これはすなわち、視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚です。 こ
Weblog: はらやんの映画徒然草
Tracked: 2010-02-21 05:41

料理とは祈りそのもの〜『食堂かたつむり』
Excerpt:  原作の感想はこちら⇒『食堂かたつむり』  恋人に裏切られ、全財産と声を失った倫子(柴咲コウ)は、10年ぶりに故郷の 村へ帰る。母の...
Weblog: 真紅のthinkingdays
Tracked: 2010-02-28 21:18

食堂かたつむり レビュー(ネタバレあり)
Excerpt:  【ストーリー】おっぱい山のある田舎に生まれ育った倫子(柴咲コウ)は、ルリコ(余貴美子)の不倫で出来た子供だと陰口をたたかれる。倫子は中学校を卒業したと同時に、田舎を飛び出して都会に住むおばあちゃん(..
Weblog: 無限回廊幻想記譚
Tracked: 2010-03-02 20:06

食堂かたつむり
Excerpt:  『食堂かたつむり』を恵比寿ガーデンシネマで見てきました。  予告編で見たときから面白そうだなと思い、見に行こうとしたところがなかなか時間がうまく合致せずに、映画館に行くのがこんなに遅れてしまいまし..
Weblog: 映画的・絵画的・音楽的
Tracked: 2010-03-13 09:51

mini review 10485「食堂かたつむり」★★★★★★☆☆☆☆
Excerpt: 小川糸原作の同名のベストセラー小説を『ウール100%』の富永まい監督が映画化した、じんわりと心にしみる人生賛歌。失恋の痛手から一時的に心因性失声症を患った主人公が実家に戻り、食堂を開いて人々を料理で癒..
Weblog: サーカスな日々
Tracked: 2010-09-15 22:00