2010年02月21日

スティング

 「午前十時の映画祭」で「スティング」を観た。わざわざスクリーンで観た価値あり。アカデミー賞総ナメが納得の超面白さだった。

 大物ボス・ロゴネン(ロバート・ショウ)の手下が、賭博の金を運ぼうとしていたのだとは知らず、フッカー(ロバート・レッドフォード)は仲間のルーサーと共に、騙しとすり替えでその男の金をまんまと奪う。だが、事件を知ったロゴネンの命令でルーサーは殺され、危険を察したフッカーは、ルーサーが紹介してくれていた伝説の賭博師・ゴンドーフ(ポール・ニューマ)の元に逃れ、彼の助けを得てロゴネンへの復讐を開始する。

 話の進行につれて、「準備」とか「作り話」とか、場面ごとにタイトルがでてくるんだけど、もうワクワク。失敗した手下を冷酷に殺す非情なロゴネンを相手に、知恵と度胸と演技とカンで、ゴンドーフとフッカーが、彼を陥れるべく大芝居を打っていく。

 まず仲間からロゴネンについて情報を収集。列車でポーカーをするとか、どのカードでイカサマをするとか。それから実際に列車での賭けでロゴネンを引っ掛けるのだが、ゴンドーフはジンを飲んだフリで相手を油断させて、相手のイカサマ以上のイカサマで大金を巻き上げ、しかも事前に財布をすっておいて、払えないというロゴネンの元に、今度は若い衆になりきったフッカーが訪れ、組織を乗っ取りたいからゴンドーフを裏切る、彼の電信の賭博場で儲けさせると言って誘い込む。

 ニセの電信賭博場を大掛かりに作り、大勢の仲間が英国紳士ばりの上客に化け、ニセの電信員がつかませたニセの情報で勝たせて信用させ、一歩一歩引き込んでいく。疑い深いロゴネンが、電信員に会わせろといえば、実際のオフィスにペンキ塗りのフリをして入り込み、成りすました上で、気づかれるとまずいといって協力するのを嫌そうなフリをして、さらに本物らしくみせる。

 ロゴネンは、勝負にのめり込んでいく一方、手下にフッカーの命を狙わせるのだが、警官のスナイダーも執拗にフッカーを追っていて、フッカーと彼らの危機一髪の攻防も見もの。ロゴネン一味の追跡をかわしたものの、ついにスナイダーにつかまり、スナイダーの背後にいたFBIに脅されて、ゴンドーフを売る約束をさせられる。復讐と同時に裏切りが成立してしまうラスト。だが、え〜っ!とあっけに取られる間もなく、すごいどんでん返しが。

 相手の疑り深さや執念深さを逆手に取って、心理を読んでぎりぎりのところで身を守り、相手の憤慨も口惜しさも、すべて自分たちに都合よく利用する。頭脳戦であり心理戦であり、フットワークを競う運動神経戦でもある。そして、あれほど何度も銃撃の場面があったのに、復讐劇が意外にもそれとは全然違う形で成就するのも小気味いい。

 ロゴネンと共に、観てる方もまんまと二人に騙された。たくさんの伏線をもう一度よく味わうためにも、また観たいと思わせる映画だった。
posted by HIROMI at 16:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
ネタをばらしてはいけない映画のNO1。
それが、この映画のような気がします。笑
雰囲気というか、空気感もいいし、
自分の中では見た映画の中での最高傑作のひとつ。
こういう映画、その後、出てこないですね。
Posted by BRUCE06 at 2010年03月10日 10:34
BRUCE06さん
お越し下さってありがとうございます。
そうそう、ネタばらしは絶対ご法度の映画ですね。ぎりぎりストーリーを書いてしまいましたが(笑)。
ラストの衝撃にはもう唖然。思いもつかない展開に驚きつつ、心地よいカタルシスに酔える、ほんとに面白い作品でした。3Dより何より、やっぱり映画は脚本だなあ、とつくづく思いました。
Posted by HIROMI at 2010年03月10日 22:58
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