2010年08月08日

とれぶりんか劇団 「Cherry〜愛と平和の実をつなぐもの〜」

 東京で「国際コルチャック会議2010」が開催されているが、みんなでつくる学校「とれぶりんか」がそれに参加公演した音楽劇「Cherry〜愛と平和の実をつなぐもの〜」を観に行った。

 ヤヌシュ・コルチャックは、小児科医であり文学者であり、二つの孤児院を設立し、「子供の権利条約」の基礎を築いた教育者でもあったポーランド人。第二次世界大戦下、自分への特赦を断って、トレブリンカ収容所に送られた200人の子供たちと運命を共にした。

 今日見た劇は、このコルチャック先生と200人の子供たちの話をベースにしたもの。今また同じような悲劇が繰り返され、たくさんの子供たちが死んでいくなか、悲しみや憎悪の化身ゴルディアが現れ、それに愛と平和の使者チェリーが立ち向かう。
 冒頭の部分、何もかも茶色でなくてはいけないという政令によって、街中が次第に茶色一色になっていき、背く者が迫害される場面は、ファシズムの浸透をうまく表していると思った。
 ガザの空爆で失われた多くのこどもたちの命、内戦や天災で家族を失くした子供たちが人身売買の犠牲になっていること、貧窮のなか飢餓や病気に倒れる子供たち。現在の悲惨さを指摘したセリフがシビアだった。ゴルディアに追い詰められた子供たちが、口々に「神様、こどもを救って下さい」といいながら倒れていく場面に心を打たれた。彼らは暴力でなく人とのつながりや希望の力で解決を図り、結局驚くほど多くの仲間を作っていく。

 子供たちがとても頑張っていたし、主役のchacchaさんはすごく存在感があって、オーラを感じた。歌も上手いし、これからが楽しみ。

 「コルチャックの時代、ルソーの教育論がもてはやされたが、ルソーのそれが子供のなかの無邪気さや純真さを見つめようとしたのに対し、コルチャックは子供のなかに人間を見ようとした。つまり、彼らの置かれた状況と、苦しみを見つめようとし、それに徹底的に寄り添うとした。今、こどもを取り巻く状況が厳しいなか、彼のように子供に真に信頼される大人が必要とされているだろう。
 コルチャックは死は生の続きであると言った。彼らの身体は死んで灰になったが、その魂は幾多の地に舞い降りて新しい命となっていった。このフリースクールもそうして生まれた。
 不登校や引きこもりやうつなど、社会の片隅に追いやられ苦しんでいる仲間たちの居場所として、また、そうした彼らこそが、スタッフやリーダーとして夢につながるアイデアや企画に挑戦する飛躍台としてこのフリースクールは存在している。彼らから学びながら進んでいきたい。」代表のあいさつがよかったので、書きとめました。
posted by HIROMI at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
子ども達の一生懸命さがよかったです。

どうすれば「愛と平和」の世界が実現できるのか?絶望的になりがちな思いを、少しでも「希望」があれば、その理想に向かって生きていけるんだな、と。昨日の劇は教えてくれたようでした。
Posted by MAO at 2010年08月09日 07:54
MAOさん
コメントどうもありがとうございます。
演出の人が、子供たちを泣かせてしまったこともあったけど、ついてきてくれた、とおっしゃっていましたよね。心を打つ演技でした。
かなり絶望の濃い内容で、悲惨な現状を考えさせられましたが、そのなかで、平和を願う意志や、希望の力が際立っていると思いました。観られてよかったです。
Posted by HIROMI at 2010年08月09日 19:05
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