2011年06月25日

赤ずきん

 幼馴染のピーター(シャイロー・フェルナンデス)を愛しているヴァレリー(アマンダ・セイフリッド)なのに、母親は裕福なヘンリー(マックス・アイアンズ)を許婚に決めてしまう。ところがヴァレリーの姉はヘンリーに恋していて、彼と妹の婚約を知った彼女は、夜に出かけて狼に殺されてしまった。復讐のために森に入った男たちを追ったヴァレリーは、祖母(ジュリー・クリスティー)の家に立ち寄って、そこで赤いマントをもらう。だから、これは大人になってから赤ずきんになった女の子の話。

 村人たちが狼を仕留めて喜ぶところに、魔物ハンターのソロモン神父(ゲイリー・オールドマン)が現れ、真犯人は満月の時だけ狼に変身する人間で、村人の誰かだ、と言う。しかも、血の月の夜にそれに噛まれると、被害者も人狼になってしまう。これは吸血鬼の話と同じ。ソロモン神父の言葉通り狼が村を襲ってきて村人が殺戮されるが、ヴァレリーには狼の言葉が分かるのだった。

 山深い森のはずれの寂しげな村。雪が積もって荒涼としたなかで事件が起こり、どんなお話かと引き込まれた。ヴァレリーが魔女だと疑われたり、象型の奇妙な拷問具とか、取り付かれたようなソロモン神父の様子とか、凄惨な暗い中世の感じが出てたと思う。

 でも、ヴァレリーをかばって鉄の矢を受けたヘンリーがまるで無傷だったり、ヴァレリーに刺されたピーターがピンピンで、そんな目に遭っても彼女を助けたり、不自然な場面がいっぱい。代々、豚を生贄にしてきたのに、人狼のことは伝わってないし、村を囲んだ柵はいつから無くなったのかな、とか、人狼の恐ろしさを分かっているのに、ヘンリーが一人で探しに行くのは唐突だし、それをヴァレリーが全然止めないのはなぜかな、とか、なんでみんなが安全な教会に早く入らないのか、とか、小さな疑問もいっぱいだった。ファンタジーでも、脇が甘いと興覚めです。

 とはいっても、一体誰が人狼か、の謎解きは引き付けられたし、赤ずきんの元の話が所々にはさんであったのも楽しめた。
 「自分と来てくれ」という言葉が人狼と同じだったヘンリー。煤で黒く汚れた手をしていたピーター。長い銀の爪を光らせたソロモン神父。一番怖かったのはお祖母ちゃん。年老いているはずなのに、家族のなかで一番よく動きまわって、ヘンリーを家まで訪ねたりするのに、ヴァレリーが自分の家に来ても、すぐには姿を見せない。茶色の強い目も謎めいているし。何といっても、元の話では、狼はおばあちゃんに化けて赤ずきんを待ってるんだもんね。

 犯人は思わぬ人物で、ヴァレリーの姉とヘンリーの結婚を母親が許さなかった理由が、ここでつながるのか、と納得。ヴァレリーの母親に「彼女を愛してるのなら身を引いて」といわれたピーターが、最後にそのとおりにするのも、うまくつなげたな、と思った。

 セイフリッドに真紅のマントがすごく似合ってた。想像の場面だったのだろうか、雪の間かをピーターと手をつないで歩くヴァレリーが、赤いマントをウェディングベールのように長く引きずっている場面がきれいだった。
posted by HIROMI at 12:20| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記
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Weblog: はらやんの映画徒然草
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